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15- D- 0946 201 6 年 2 月 2 5 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
い
すゞ
自動車株式会社
(証券コード:7202)【新規】
劣後ローン格付 BBB+
■ 格付事由 【発行体概要】
国内大手トラックメーカーで小型トラックに強みを持つ。国内トラック事業及びタイを中心としたピック アップトラック事業が収益の柱である。前中期経営計画では、グローバル生産体制の強化に向け、日本、ア セアン、タイの3 拠点を中国、インドの2 拠点が支える「ものづくり 3+2 極体制」の構築を進めてきた。 15 年5 月発表の中期経営計画(16 年3 月期∼18 年3 月期)ではこれを更に強化していくと同時に、新興国・ 先進国の市場特性に合った稼働サポート(アフターサービス)事業に注力していく計画である。また収益・ 財務方針として営業利益率の中計 3 カ年平均 9%などを掲げている。
国内では整備・部品など保有ビジネスで利益が出せる事業構造に転換しており、海外ではタイの生産拠点 を中心にピックアップトラックの新車ビジネスの利益貢献が大きい。足元では成長戦略関連費用(研究開発 や販売体制強化の費用)が損益を圧迫しているが、保有ビジネスの利益が増加傾向にあり、またピックアッ プトラック事業では販売エリアの分散が進むなど収益体質は強化されている。今後、中国・インドでの部品 調達を増やしてコスト削減を図る計画であり、中計に掲げた高い収益力維持は可能と考える。近年の好調な 業 績 を 受 け て 財 務 改 善 も 進 み 、 15/ 3 期 末 1, 120 億 円 の ネ ッ ト キ ャ ッ シ ュ ポ ジ シ ョ ン で 、 自 己 資 本 比 率 も 41. 9%まで改善した。今般の自己株取得に伴い、自己資本比率などの財務指標が一時的に悪化する見込みで あるが、中期的に財務内容の改善は続く見通しである。
【ローンの格付事由】
本ローンの格付を長期発行体格付から 2 ノッチ下とした。
J C R では、劣後ローンを含むハイブリッド証券の格付において、①繰延条項に基づき利息・配当が繰延べ られる可能性が「デフォルト(債務不履行)」に陥る可能性よりも通常高いこと(繰延べの可能性)、②一般債務 よりも借入人破綻時の請求権順位が劣後しており、回収可能性が低いこと(劣後性)―に着目している。
借入人破綻時における本ローンの請求順位は最優先株式と同等で全負債(本ローンを含む本ローンと実質 的に同順位の劣後債務を除く)に劣後する。また、利払いに関して任意停止条項が定められている。利払いが 停止される可能性は、借入人の財務状況などを勘案すると現状低いとJ C R ではみている。このような劣後性 と繰延条項を勘案し、長期発行体格付とのノッチ差を決定した。
【ローンの資本性評価とその事由】
本ローンの資本性は「中」、「50」に相当すると判断した。
J C R では、ハイブリッド証券の資本性評価にあたり、「元本の償還義務、満期がない点」、「配当の支払い 義務がない点」、「破綻時の請求権順位が劣後している点」を勘案している。
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わない意図を有する旨表明している一方、5 年経過後の弁済については、連結自己資本額など一定の財務条 件を充足することにより借換証券の発行等が不要としている。J C R では、財務内容の十分な改善や借替証券 の発行等がない状態での期限前弁済の可能性は低いと考え、実質的な弁済義務、満期の評価に織り込んだ。 この判断には、当社からのヒアリングにより、本ローンの位置づけを含めた今後の財務運営方針を確認でき たことや、借入人がこれまで長期にわたり、金融市場において投資家、債権者との良好な関係を維持し、信 認を得てきたことなどが反映されている。
利息については、強制停止条項を備えないことが普通株との類似性を弱めている。しかし、任意停止条項 が定められており、ストレス時には利息を停止しうるメカニズムは備えている。これら弁済期限や利息停止 にかかる仕組みに加え、破綻時における請求権がシニア債務より劣後していることなどを勘案している。
(発行体担当)窪田 幹也・上村 暁生 (ハイブリッド証券担当)炭谷 健志・涛岡 由典・杉浦 輝一 ■ 格付対象
発行体:いすゞ自動車株式会社 【新規】
対象 借入額 実行日 弁済期日 利率 格付
劣後ローン 450 億円 2016 年 2 月 29 日 2076 年 2 月 29 日 (注) BBB+ (注) 実行日から 5 年間は 6 ヶ月ユーロ円 L IBOR に実行日におけるスプレッド(当初スプレッド)を合計した利率、5 年後以降は 6 ヶ月ユーロ円 L IBOR に当初スプレッドおよび 1.00%のステップアップ金利を合計した利率による変 動金利。
期限前弁済 : 実行から 5 年経過後の弁済
税制事由・資本性変更事由による弁済
全貸付人およびエージェントとの合意による弁済 リプレイスメント : 意図の表明あり。上記の期限前弁済が対象 利息任意停止 : 借入人の裁量で可能
累積・非累積 : 累積
請求順位 : 全負債(本ローンを含む本ローンと同順位の劣後債務を除く)に劣後し最優先株式と同等
【参考】
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格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2016 年 2 月 25 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:島田 卓郎
主任格付アナリスト:窪田 幹也
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「コーポレート等の信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)、「自動車・自動車部品」(2012 年 3 月 26 日)、「ハイブリッ
ド証券の格付について」(2012 年 9 月 10 日)、「ハイブリッド証券の資本性の評価について」(2006 年 9 月 1 日)と
して掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) いすゞ自動車株式会社
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
なお、本件劣後ローンにつき、約定により許容される利息の支払停止が生じた場合、当該支払停止は「債務不履
行」に当たらないが、J C R では債務不履行の場合と同じ「D」記号を付与することとしている。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
・ 格付関係者が提供した格付対象の商品内容に関する書類
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則
17g-7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJ C Rのホームページの“ Rating Information” (http: / / www. jcr. co. jp/ english/ top_cont/ rat_info01. php) に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■ 本件に関するお問い合わせ先